ソラシドトリガー! -Sorashido Trigger!-

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『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』感想 ~平成ライダーっていいな~

お久しぶりです。最近様々な事情が重なってブログ更新が出来ない時間が続いてました。その中で暇な時間を使って観てきました、『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』。

ジオウの、そして平成ライダーの真の最終章としてどんな映画になるのか期待と不安が半分ずつ渦巻きつつも、平成ライダーと共に人生を歩んだ者として見届ない訳にはいかなかった今作、まさに昨冬の『平成ジェネレーションズFOREVER』にも負けて劣らない程の衝撃作でした。以下、ネタバレも含めて感想を語ります。

 

 

劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer オリジナル サウンド トラック

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジオウのラストと常盤ソウゴの「夢」

 今まで『ジオウ』本編でも度々言及されていたソウゴの「王様になる」という夢、彼は最善最高の王になるためにライダーの力を継承して来た。そしてライドウォッチが全て揃った時、ソウゴは夢だった王になることが出来た。

いつの間にか集められた民衆に見守られながら玉座へと向かって歩くソウゴ、そかし玉座には見知らぬ男が座っていた。その男は自らを「常盤SOUGO」と名乗り、ソウゴは王の替え玉だったと明かし、平成をやり直そうと企てる。

ここで自らの夢を否定され投獄されたソウゴだったが、ある男(詳しくは後述で)に「お前はライダーとして選ばれたんだ」と叱咤激励を受け立ち直り、SOUGO(仮面ライダーバールクス)に戦いを挑む。ここでソウゴが語った「誰かのためではなく自分が王様になりたいと思ったから」という台詞(うろ覚えです)が心に響いた。丁度映画公開前に何度か「Over Quartzer」(テレビ版主題歌の方)を何度か聞いていて「誰の為か何の為の夢か」というフレーズに何かピンと来ていたので。スウォルツに王になる運命を決められていても、自身の名を語る者に夢を否定されても、ソウゴは「自分がなりたいから王様を目指す」。このソウゴの芯の強さがいかんなく発揮されてた。

 

Over

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 それにゲイツ関連の描写も良かった。彼は物語序盤は「オーマジオウは俺が倒す!→あいつはもしかしたらオーマジオウにならないのかもしれない…→やっぱりあいつはオーマジオウだ!」を繰り返していたので(その信念のブレブレさが逆にゲイツの魅力だとは思う)アナザージオウ編でソウゴを仲間と認めて以降はソウゴを信用することになりそして今回もソウゴが替え玉の魔王だったとしても彼を信じた。そして消滅間際の「ソウゴ」呼び…。ジオウ最終章に相応しい映画だった。

それに、ウォズが「全ライダーの力を奪い~」と語り、ドライブウォッチ継承後、剛がライダー関連の記憶を無くしたシーンは序盤を思い出して少し感慨深くなってしまった、懐かしさで。終盤にきて序盤の設定を拾うのは弱いのだ。

 しかし、命を散らしたウォズや歴史改変により消滅したゲイツツクヨミが何事も無かったかのようにクジゴジ堂に居座っていたのは何だったのか…、意図的に説明を省いたんだろうけどやっぱり気になる…。まあ恐らくオーマジオウ(オーマフォーム)の力か影響で過去改変やらがあったんだろうけど、本編の最後にでも説明はあるんだろうか…。

 先週の放送で同じく命を散らしたミハル君も同じような理由で生き返るのだろうか…。色々あったけど最後は皆生き返りましたパターンは昨年の『ビルド』と同じなので出来れば回避して欲しいところだけど…。しかしあのままミハル君は死んだままというのも少し納得しがたい。

 

 

 

ドライブ組について

 満を持して描かれたドライブウォッチ継承エピソード。しかしどちらかと言えば剛やクリムよりも信長や牛三の方が目立っていた印象。マッハもシグナルバイクを使わなかったし(「トマーレ!」や「マガール!」を久々に聞きたかったぜ…)アナザードライブも出なかったしドライブ編というよりは信長編にドライブ要素を絡ませた感じだった。

けど信長との絡みが(今も過去になって~のとこ)あったからその後のシーンで印象変わったしそれはそれで良かったんですけどね。

そういや今週の放送でチェイスが本編に出たけど映画に出さなくて大正解だったよね…。映画で剛が「いつかダチを生き返らせる」と語っておいていざ出たら台無しだったよ。しかもチェイス敵だったし。

 

 

 

平成ライダー最終章として

スピンオフや舞台から仮面ライダーブレンに斬月カチドキアームズ、まさかの漫画版クウガが漫画のまま出演、そしてある意味FOREVERの「彼」以上のサプライズ出演だった仮面ノリダー・木梨猛。「仮面ライダーになれなかった男」というかなりギリギリな線で「仮面ライダーに選ばれた」ソウゴを叱咤激励。ノリダーってどちらかといえば昭和ライダーの方に因縁あるんじゃないの?とは思いつつも意外とグッとくるシーンだった。昨年の『ルパパト』でもノリダーのパロディネタが挿入された辺り、時代が段々とノリダーの存在を許すようになったんでしょうね。

Gやゴライダーの参戦も嬉しい。基本的にスピンオフ作品はスルーされがちなので、しかもGはSMAP特番のコラボ企画限定ライダーだったのでまさか触れられるとは。こういうのもしっかりと平成ライダーの一部として加わっているのが良い。平成ライダーは決して『クウガ』~『ジオウ』だけでは無いことを改めて認識させられた。

しかし全く触れられなかった『THE FIRST』と『THE NEXT』や3号と4号ェ…。あそこは昭和ライダーのリメイク的な扱いだから難しかったんだろうけど…。

 

 

 

 

平成ライダーっていいな

 結局これ。

『 平成ジェネーションズFOREVER』が「平成ライダーとは何か」を描いたのに対し、今作はとにかく「平成ライダーはいいぞ」を描いたという印象。平成を否定する敵に対してヒーロー側が平成(物理)で見事打ち破る構成が見事だった。というかラストのタイトルロゴキックからのバールクスの年号発表みたいな最期見せられて笑わない人いないでしょ。

『FOREVER』の時も似たようなこと言ったけど、粗や辻褄合わせよりも平成ライダーの素晴らしさを存分に魅せた作品だったと思う。これまでの平成ライダーを愛してたからこそ響く、本当の本当に平成ラストの今作で「平成ライダーらしさ」と言葉では言い表せない「尊さ」が溢れた作品で、そんな映画だった。

正直、『FOREVER』と同じく、今回も万人受けするものでは無いと思うし、平成ライダーというコンテンツに飼い慣らされたファンでも拒否反応を起こしてもおかしくはない。それでも、とことん「平成ライダーらしさ」を追求・描写した今作は自分の中では『FOERVER』と並ぶ衝撃作だった。タイトルロゴキックも平成最後だからこそ相応しい必殺技だったし。

奇しくも、以前の記事であの時と同じ衝撃をまた味わいたいと語ったが、まさかこんなに早くまた体験できるとは…。しかし、そんな平成ライダーの終焉も本当にあとわずか。令和ライダーが始まる楽しみよりも、平成ライダーが終わってしまう寂しさの方が今は強い。しかしそれでも、次の未来を確かめたい。次はどんな世界を魅せてくれるのか。

 

 

 

さようなら、平成ライダー