拝啓、親父殿。
今日は父の日らしい、昔は6月の2週目とかもっと早い気がしていたけど前のことはよく覚えてないのでまぁいいや。思えば父の日に感謝らしい感謝もしてなかったっけ。学生の頃に父の日にお父さんに贈るプレゼントを作りましょうみたいな授業で作ったものを贈ったりはしたけど、言い方は悪いがあれはあくまで「作らされた」もので心からの感謝とはちょっと違う。なのでちょっと照れくさいが、ここでたぶんはじめて父の日らしい感謝の言葉を贈りたいと思う。まぁ、このブログのことは親父を含め家族には極秘なので親父には伝わらないので本末転倒ではあるが、もしかしたらこのブログを見つけてしまうかもしれないし、この文章の一部を抜粋してLINEで送るかもしれないが、とりあえず好きなようにさせてもらう。
思えば親父とは喧嘩ばかりしてたっけ。昔のおれは学校で上手くいかないことが沢山あって、ずっとストレスを抱えながら生きてたからそれを家族にぶつけてしまうことが多々あった。親父も仕事でのストレスが溜まってただろうし、それがぶつかっちゃったんだと今は思ってる。お互い大変だったからね、それは今も同じか。けど、今ならその時の親父の気持ちや、あの頃のおれがいかにバカだったか痛いほど分かる。そういうこともあってか、今はなるべく親父の気持ちを尊重しているようにしている。お互い似た者同士だから、自己主張をぶつけ合うとどうしても喧嘩になっちゃうからね。親父はおれよりも頑固なんだから、そこはおれが引いてやらないと。オカンは親父のそういうとこにウンザリしてるんだし、分かってやりなよ。
そういえばおれは昔鉄道が好きだったから（今もだけど）、よく電車を見に駅に連れて行ってくれたよね。懐かしいなぁ、一度同級生の鉄道好きのやつとバッタリ会ってからかわれて、スネて迷惑かけたこともあったよね。あの時はごめん、けど隠し事がばれると恥ずかしいものなんだよ、分かってくれ。よく県外にも連れて行ってくれたよね、旅先で食べたソースカツ丼や流しそうめんとか今でも覚えてる。当時オープンしたばかりの大宮の鉄道博物館にも行きたいみたいなことよく言ってたけど、まさか大人になって自分一人で行くとは思わなかったよ。あぁ、でもリニア鉄道館には一緒に行ったよね、完全に付き添いだったけど。余談だけど九州で撮った「ゆふいんの森」の写真を酷評された時は心にきたよ。当時のおれは背景も交えながら狙って撮ったんだよ、今見返すと酷いけど。
九州といえば、親父も何年か前に単身赴任で行ってたよね。会いに行くのにはじめて飛行機も乗ったなぁ。阿蘇に別府、楽しかったよ。またおいでと行っておきながらすぐまた別の地方に異動になって結局行けてないけど、もし機会があったらもう一度親父と九州旅したいよ。ただ、おれは今年某佐賀を舞台にしたアニメにハマってその聖地巡礼に行こうと思ってるのでその時は一人で行かせてくれ、おれが行きたいところだけに行くから親父にとっては絶対つまらないだろうし。それ以外の時は一緒に行こうな。
あと、おれが旅好きになったのは間違いなく親父のせいだと思ってるよ。親父が単身赴任中に色々なところ行った写真を送ってくるから、おれもあちこち行きたくなってきてしまうし、おかげで群馬やら大阪やら色んなとこ旅しちゃったよ。でも旅は楽しいし、悪くないどころかいい趣味を見つけてしまった。これも親父のおかげだよ。というか頑固なところとか含めておれの性格の大半は親父譲りだと思うんだよ、本気で似ちゃってると思うし。
けど、そうだからこそおれは親父のこと尊敬してるんだと思う。自分に似てるから、自分がそんな性格になってしまったからこそ、理想形というか、全部ひっくるめると、父親として。そんな気持ちが芽生えたのも1~2年前辺りからなんだけど、そういう意味ではおれが少しずつ親父に近づいてきてるのかもしれない、本当は分からないけど。それと、親父を尊敬してるからこそ言わせてくれ。親父はおれや兄貴に「何か新しいことをやってみれば」とか「資格とかも取れる時に取っとけよ」とは言うが、そこら辺は自分のペース、あるいは自分の意思でやらせてくれ。おれはもうちょっとだけ遊んでいたい。何かごめん。でも、親父のそんな言葉の意味も、昔はいまいち理解できてなかったけど最近はよく分かってきているよ。親父はそう思ってないかもしれないけど、おれは結構その言葉を胸にかみしめてるんだよ。それだけ、成長できたってことなんだと思う。
親父は最近よく、「お父さんはもう生きて10年くらいだから～」みたいなこと言ってるけど、まだまだ長生きしてくれよ。おれも、もうちょっとでも長く親父と一緒に居たいからさ。またどっか行こうね。
あなたの息子より
今週のお題「お父さん」
