ソラシドトリガー! -Sorashido Trigger!-

前略、画面の前の読者様 このブログに書かれてることは的外れな主観です。だから決して、このブログの記述は鵜呑みにしないで下さい。

アイの歌声に聴き惚れた話 映画『アイの歌声を聴かせて』感想

1週間前のおれ「へぇ~、今やってる『アイの歌声を聴かせて』なんか評判いいな。でも予告観た限りだと正直ハズレ臭かったし、パテマも合わなかったからたぶん観ないかな~」

 

 

今のおれ「お前ら!!!今すぐアイ歌観ろ!!!面白さはおれが保証する!!!」

 

 

映画チラシ アイの歌声を聴かせて 土屋太鳳

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(本記事にはネタバレも書かれてますが物語の詳細や結末はぼかしてあると思うので観てない人も読んで大丈夫かと思いますが一応自己責任でお願いします。これから観ようと思ってる人は今すぐ映画館へ行って下さい)

 

 

普段から映画を映画館でよく観ている人ならある意味日常茶飯事かもしれないが、自分は今年の6月に公開された『映画大好きポンポさん』で映画に目覚め、特に7月から8月にかけてはこの期間だけで5本も観たので、近日公開予定の作品予告で『ルパンの娘』と並び飽きる程観たのが、『アイの歌声を聴かせて』という作品。

 

これでも一応アニメオタクの端くれなので、こういう作品はなるべく積極的に触れた方がいいかな~と思ったり、絵柄の可愛さに興味を持ったのだが、個人的な不安材料も幾つかあった。

まず1つ目、自分はAIを題材とした作品にいい思い出が無いこと。その作品が何とは言わないが、AIの価値観などがどこか有耶無耶で答えを意図的にぼかしてたりズレてる感じがあり、そもそもAI云々以前にストーリーに齟齬が多かったりして作品としてギリギリアウトな部分まで突っ込んでいたので、「多分これもそうかな…」と勝手に不安になった。

2つ目、アイ歌の監督が過去に手掛けた『サカサマのパテマ』がイマイチ自分の好みに合わなかったこと。あくまで個人の感性なので世間の評価とは殆ど関係ないのだが、展開もキャラも既視感がありノレないまま2時間が過ぎて、正直に言ってこれを勧めるくらいならカリオストロラピュタ観た方がいいよと言ってしまいそうな位合わなかった。好きな人いたらごめんなさい。

あとは些細な心配だけど、土屋太鳳の演技が上手いのか下手なのか分からない微妙な感じだったり、ツダケンの「お前は我が社の商品なんだぞォーーー!!!」というルパンの娘のおばあちゃんの入れ歯が抜けるシーン並みに脳裏にこびりついてしまった叫びから、普通の青春モノでいいのにパテマ同様"分かりやすい"敵との対決とかあるんだろうなぁ…とオタク特有の観てもいないのに勝手に不安になったり地雷認定する現象に陥っていた。

 

 

公開から1週間後、TLではアイ歌に対して割と好意的な意見がよく見られたが、ネタバレされるのが嫌なのでちらっと見た程度なので皮肉で言ってるのかマジで言ってるのかイマイチ分からなかったので心は迷っていた。しかし、長年TLなどでダメ映画を引き当てて嘆いている様を横から見て、普段から評判などで地雷を意図的に避けている自分としてはそういうのに憧れていたので(憧れちゃダメでしょ)、駄目だったらネタに出来るし、面白ければそれでいい。最近映画に目覚めてきたんだから、いずれはそういう経験もするかもしれないし、少しでも興味を持った作品は鑑賞していった方がいいんだからと自分に言い聞かせて、遂に『アイの歌声を聴かせて』を観る事を決意した。

 

 

 

 

 

えー、まぁ、冒頭で言っちゃってるんでもうアレなんですが、めっちゃ面白かったです。あーだこーだ言ってすみませんでした!!!

 

 

 

 

 

まず何よりも、土屋太鳳歌上手すぎない………?普段あの人の出てる番組あんまり観てないから演技力とかもどれくらいなものか全然知らなかったけど、なんすかあの歌唱力、プロ級じゃあないっすか…!これ半ばおれのような無知なオタクに土屋太鳳の歌唱力の高さを知らしめるために制作したんじゃないの?(言い過ぎ)

劇中歌・主題歌も帰宅してきっちりDLさせて頂いたのでよく味わっておきます。あと声の演技も普通に上手かったです、予告観た限りじゃ前述のように微妙に聴こえたのに全然肩透かしだった。AI感出てたよね、AI感。分かれ。

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これ人によっては捉え方変わってくると思うんだけど、工藤阿須加の演技も結構好きなんすよねぇ。棒読みに聴こえなくもないけど、ややぎこちない部分もトウマというキャラに合ってたから違和感もそこまで無かった。キャスティングした人のセンスが良い、自分は演技が微妙でもキャラに合ってさえいればOK派なので。所さんのバズとかああいうの。

でも一番上手かったの、もしかしたらカズレーザーかもしれん…、全然気づかなくてEDのキャスト欄で「出てたんですか!?」ってなったから。

 

 

ストーリーも、別にAIがどうのこうのというよりは「悩みなどを抱えてる思春期の高校生たちの物語」がメインだったので、テレビアニメなら1話分は使うであろうそれぞれの悩みを打ち明けてから解決までを非常にテンポ良く、かつキャラ1人1人しっかり掘り下げて共感出来るようにし、シオンを軸としてサトミたちが交友を深めていく様子は観ていて「あぁ、おれもこういう青春送りたかったな…」と思わせられた。別に自分が悲惨な青春を送ってた訳じゃないけど、観客にそう思わせただけで勝ちなんですよね青春モノってのは。みんなキャラ立ってて好きだな…、ああいう男女比が均等で好きなものがそれぞれ違って個性の強い面々が揃ってるグループって割と好きな方なので。

些細な日常の描写や背景にも伏線や前振りを仕込んでいたのが秀逸で、「えっあれそういう意味だったの!?」みたく驚かされた場面も多く、「その時奇跡が起こった!」的な展開があっても決してご都合主義感が無かったのがもう素晴らしすぎる、だって今までに見てきたものだったからね。

なんやかんや心配してたAI云々の面も踏み込み過ぎずおざなりにせず、それでいてAIの懸念点や良点にもちゃんと触れてはいたので、自分の好みに合ってたバランス配分ではあった。変に人の心とか夢とかやらなくて良かったよホントに……。ラスト30分辺りからアクション要素増えるけど、敵意を持ってた子が頼りになる仲間となって共闘したり(正確には序盤ですぐ打ち解け合ってたけど)、「ここは俺たちに任せて先に行け!」と王道の燃える展開があったりと熱い感じになっていた。しっかしミュージカルだったり青春したりアクションになったり忙しい映画だったな……面白かったからいいが。

 

 

いや全然思ってた以上の満足度でしたよ。まぁ、元々の期待値が低かった分見返りがでかかったのもあるかもしれない、でも、劇中でシオンがサトミを幸せにしようとしたのと同じように、何やかんや自分もシオンもとい『アイの歌声を聴かせて』という作品に少しの間だけ幸せにしてもらえたような気がする。本気でもう1回観ておこうかなとも思ったので。最近出費が激しく金欠気味なのでBDは買えないかもだけどBS12辺りで放送された暁には録画を永久保存するつもりではある。というかいっそ金曜ロードショーでやってくれ、という願望を最後に添えておきます。

 

 

【追記】限定版BDジャケのシオン嬢の表情可愛すぎない???

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