ソラシドトリガー! -Sorashido Trigger!-

前略、画面の前の読者様 このブログに書かれてることは的外れな主観です。だから決して、このブログの記述は鵜呑みにしないで下さい。

作品のリアリティライン認識は人それぞれ違うという話

先日、趣味のネットサーフィンをしていたら以下のようなまとめを見つけました。

 


当時少年ジャンプで連載していたハッキング漫画の描写に対して、その筋に詳しい方が「ハッキング描写に間違いが多すぎる」と突っ込みを入れたのに対し、一部の漫画好きの人たちが「漫画なんだしそこを指摘するのは無粋」と意見が分かれた…そうです。(ごめん……おれワートリ移籍してからWJの現状全然知らん…呪術廻戦もチェンソーマンも読んでねぇし…)

 

 

私自身漫画好きを自称している立場として、漫画的に多少現実離れな描写を入れるのはある程度仕方ない、専門用語を入れすぎてもジャンプのメインターゲットの小中学生はついて行けないしガチガチのハッキング漫画をやるなら青年誌の方が合ってるんじゃないの?とは思いました。けど確かにその筋の方々が憤るのも分かります。「少年向けだから」「漫画だから」という言い訳に頼らず、ちゃんと脇は詰めて欲しいものです。私だってアニメ版『こみっくがーるず』最終回で東北新幹線E5系が右側走行していた描写を見た時は「ふざけんなよ!」ってなりましたから(そこじゃねえよ)

 

 

漫画にしろドラマにしろ専門知識が間違ってる作品なんていくつもあるしそれにいちいち突っ込みを入れるのは疲れますし野暮だとは思いますけどね。上記のハッキング漫画だってそうです、ジャンプには試合中に選手が入れ替わったり相手の五感を奪うスポーツ漫画だってあるんですから(だからそこじゃねえよ)。あくまで「フィクション作品」なのでその作品のリアリティラインの線引きをどこで引くか、理解できてるかがその作品を楽しめるポイントだと思います。

 

 

リアリティラインといえば、最近好きになった作品にそれの線引きを考えさせられる漫画があるんですよ、『推させて!Myティーチャー』という作品なんですけど。

以下、あらすじ

 

生徒と上手く話せないと悩む新人教師の押谷愛子。彼女は授業後にその悩みを一人嘆いているところを生徒に見られてしまう。翌日、授業を始めようとすると生徒の様子が激変!?
両手にサイリウムを持つ生徒たちが、愛子を応援! 彼女は一躍クラスのアイドルに! 
そんな姿をちょっと気になる先輩教師にみられちゃって……。

コミック電撃だいおうじ公式サイトより引用)

 https://comic.pixiv.net/works/5174←こっから読めます

 

あらすじにも書いてある通り、引っ込み思案な教師を生徒たちが応援する…と言ってもその全貌は生徒たちが授業中にサイリウム振るわフリフリな服勧めるわで授業がアイドルのライブみたいになっちゃったり、それを問題視していた教頭先生やクラス委員長までもがその活動を支持したり押谷先生を推し始めるという、とにかく主人公の押谷先生が推されまくる漫画です。

言ってしまえばこれも「こんな学校現実にねーよ」「実際にやったら間違いなく問題になる」とか言われそうな作品なんですけど、けど、面白いんですこの漫画。

もしもリアル路線で描くなら、生徒たちの行動を問題視した保護者や教育委員会が介入してそれらの活動が禁止され押谷先生が謹慎になる…みたいなシリアス展開になってしまうでしょうけど、そんな展開を描くよりも、「生徒や他の先生に押谷先生が応援(推さ)れる」展開に振り切った方がストレスフリーで読めますし、というかあくまでこの作品のジャンルは「コメディ」なので、元からそういう作品だと私は解釈しています。

先ほど「漫画だから」という言葉は言い訳みたいな書き方をしましたけど、これは「漫画だから」を有効活用した作品だと思います。「授業中にサイリウム振っても問題ない(許された)世界観」というのがこの漫画のリアリティラインなんでしょうね。そこを割り切ればいいでしょう。

 

推させて! Myティーチャー(1) (電撃コミックスNEXT)

推させて! Myティーチャー(1) (電撃コミックスNEXT)

 

 

 でも、もちろんこの漫画を読んで「こんなのありえない!」と憤慨されたりする人はいるでしょう。けどそれでもいいんです。自分も学生時代に「ドラえもんドラゴンボールは現実離れしすぎてて好きじゃない」と言ってた同級生がいたのでそういう経験からそっちの立場の人の気持ちも理解したいと思っています。

未来の世界から来たネコ型ロボットがダメな小学生を手助けする漫画も、空を飛んで手から光線を出して戦う漫画も、現実的か現実離れか、楽しめるか楽しめないか、どう捉えるかはあなた次第です。少なくとも、誰もが好きな・納得する作品なんてこの世には存在しません。けどそれでいいのです。それが人間の真理なんですから。